わかりやすいけれど、わかりにくい

「……麦わら屋」
「トラ男」
 ああ、今日はそういう日なのか。雪の降る冬島で落ち合う時、トラ男は時々こうなる。会ってすぐおれを抱き締めて、目を閉じて、存在を確かめるように首筋へ頬をすり寄せてくる。
 だからおれも応えるように抱き締め返して受け入れるんだ。初めての時は慌てたりもしたけど、今はこれがいいって分かってる。ちょっとだけ安心して脱力するトラ男は、やっぱり分かりやすい。
「……何笑ってんだ」
「いや、なんでもねェ!」