額に。瞼に。耳朶に。鼻頭に。頬に。
トラ男の唇が優しく触れては離れていく。
「っ、おい、トラ男」
……時々だけど、トラ男はズリぃ。おれにその気がなくても、こういう触れ方をしてくる。でも、おれもズリぃんだ。だって、トラ男がこうして来ると本気で拒めねェ。トラ男がそれを分かっていて仕掛けてきているのかは分からねェけど。
「久しぶりに会えたんだ。これくらいはさせろ」
「……ダメとは言ってねェ」
至近距離で交わす声はお互いに小さい。ここは街中の路地裏だからだ。
おれの返事にトラ男の金色の瞳が熱を帯びていく。それを合図に、求め合う唇が重なった。